疲労のメカニズム~どうして身体は疲れるのか~
ポジティブストレッチの西手です。
いきなりですが、
そんな根本的な疑問を抱いたことはないですか?
一般的に言う「疲労」とは、ある作業を続けていく際に生じる
「作業量と作業効率が低下した状態」のことです。
今回はこの 「疲労のメカニズム」 について、考えていきます。
<疲労の定義とは?>
そもそも疲労というのは、人間だけでなく全ての生き物に生じる生理現象の1つです。
これは 、過労や健康破壊から身体を守る自己防衛反応の1つでもあります。
もし、私たちの身体が疲労を感じられないと、、、身体はやがて極度の過労状態になり陥り、健康を損ねてしまいます。
この疲労状態を生理学的に以下のように定義しています。
何ら医療の手立てを用いることなく回復可能な身体諸機能の低下現象
ポイントは「何ら医療の手立てを用いることなく、、、」です。
要するに寝ること(休むこと)でスッキリ回復できるということです。
身体機能が低下した状態を「睡眠や休養」で回復することができるか、否か、
これが疲労と病気を分ける境界線になっています。
<疲労の種類>
疲労には要素に応じて、いくつかの種類があります。
部位別の要素として、
・局所性疲労:デスクワークや軽作業によって、腕や脚などの「身体の一部」に生じる疲労
・全身性疲労:水泳やランニングなどによって、「身体全体」に生じる疲労
活動内容によって、
・精神疲労:精神活動による「大脳」の疲労
・肉体疲労:筋活動による「筋肉全体」の疲労
神経支配の内訳として、
・中枢性疲労:大脳や脊髄の神経細胞に生じる疲労
・末梢性疲労:運動神経、筋紡錘などの知覚神経終末に生じる疲労
時間経過によって、
・急性疲労:運動によって生じ、短期間の休養で回復する疲労
・慢性疲労:慢性的なストレスによって疲労が蓄積し、短期間の休養では回復しない疲労
などが存在しています。
※上記の精神疲労と肉体疲労ついては、加藤がブログにまとめているのでそちらもご覧ください。
<疲労のメカニズム>
疲労は大きく分けると、以下の4大要因に基づいて発生しています。
①疲労物質の蓄積
②エネルギー不足
③体内バランスの乱れ
④伝達不足
では、1つずつ見ていきましょう。
【①疲労物質の蓄積】
疲労物質として主に考えられているのは、
・乳酸
・焦性ブドウ糖
・クレアチン
・タンパク質の分解産物
・その他、中間代謝産物
などです。
その中でも、代表的な疲労物質は乳酸です。
〇運動をしている時の「乳酸」が溜まって、、、
〇運動時に「身体の重さ」を引き出す、あの乳酸です。
乳酸というのは、「糖(エネルギー源)」が無酸素的に分解されたものです。
ダッシュやジャンプなどの瞬間系の動きをすると、短時間で大きなエネルギーが消費され「乳酸」が筋肉内に多数発生します。
ここに「酸素」が加われば、再びエネルギー源として再利用できますが、
低酸素状態が続いてしまうと、乳酸が筋肉内に居座り続けることになってしまいます。
酸素が回ってこないと乳酸はずっと乳酸のまま。
乳酸濃度が上がると筋肉内は次第に酸化されていき、
筋繊維の収縮能力が低下してしまいます。
(※乳酸濃度が0.3%に達すると、筋線維は収縮不能に陥ります。)
この状態が「身体諸機能の低下」であり、疲労状態です。
乳酸を除去することが、疲労を取るためには大切なんです。
しかし、「疲労=乳酸の蓄積」という考え方は△です。
そもそも「乳酸」は、筋疲労(糖の無酸素的分解)によって生じるものではないので、精神的作業(デスクワーク、人間関係等)においては、発生しません。
「体を動かしていない」時の疲労は、乳酸ではなく、他の要因が考えられる。
【②エネルギー不足】
2つ目の要因は、体内の「エネルギー不足」です。
体内のエネルギー源となっているのは、「糖質:グルコース」です。
筋肉も、脳も、神経系も、エネルギー源がなければ活動することはできません。
運動すると、
1、筋肉内に溜められている筋グリコーゲン
2、血中に流れている血中グルコース
3、肝臓に蓄えられている肝グリコーゲン
が順番に分解され、エネルギーを供給していきます。
体内がエネルギー不足に陥ると、
・筋収縮能力の低下
・神経系の伝達能力の低下
が起こります。
これを「思ったように身体が動かせない状態」を作り上げ、「身体諸機能の低下」へと繋がります。
この状態がまさしく「疲労」なんです!
【③体内バランスの乱れ】
3つ目の要因は「体内バランスの乱れ」です。
運動を継続して行うと、
・発汗による「水分」の喪失
・乳酸、リン、硫黄などの代謝産物による、体内の「酸性化」
・「活性酸素」の過多
などが起こり、細胞レベルでの体内バランスに乱れが生じます。
これによって「身体諸機能が落ちること」が疲労を招いてしまいます。
体内バランスの乱れが、機能低下を招いています。
【④伝達不良】
4つ目の要因は、「神経系の伝達不良」です。
運動は、「大脳」からの命令が「脊髄」を下り、「運動神経」を経由して「筋肉」へと伝わることで発生します。
この「伝達」は、神経内の「伝達物質(アセチルコリン等)」によって伝わります。
神経の末端から、粒子状の伝達物質が分泌されます。
※アセチルコリンとは、脳からの指令を受け取り、神経終末から遊離されます。
アセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合し、脳からの指令が筋肉側に伝わり筋肉が収縮します。
活動量が多いと、伝達物質の分泌が追いつかなくなってしまいます。
「運動神経」→「筋肉」の間で伝達不良が起こります。
神経衝撃が筋肉に伝わらない、これが身体諸機能の低下となり、疲労になります。
大きな原因となっているのは
・疲労物質の蓄積
・エネルギー不足
・体内バランスの乱れ
・伝達不良
の4つです。
疲労状態は身体の防衛反応の1つでもあるので、疲労を感じたら適切な休養や栄養の摂取を早めに行うことが大切です。
しっかりとお身体のSOSを感じ取ってあげましょう♪
手始めに簡単なストレッチをして、肩周りをスッキリさせてください♪
余裕がある方は、腕を左右に揺らしてみてください。
これだけでも少し変わりますよ!
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以上、ポジティブストレッチの西手でした。
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