ゴルファー必見!【第一章】スイングの可動域!
ポジティブストレッチの西手です。
今回はゴルフのスイングを徹底解剖していきます!
スイングの前に
ゴルフの人気の高まりに合わせてゴルフ用品のハイテク化とトレーニング器具の開発が進んだ現代。
飛距離を格段に伸ばし、スコアアップを可能にしてくれる魔法のようなクラブやボール、あるいはトレーニング方法を誰もが探し求めています。
しかし、ボールや用具のこれほどの技術革新にもかかわらず、欧米のハンディキャップの平均値は過去30年にわたって全くといっていいほど変わっていない。
その最も大きな理由として、ゴルファーは他のスポーツの実践家に比べて、スイングを上手に行うための身体の能力を改善するのに割く時間と労力が格段に少ないことが挙げられます。
ゴルフだけではないが、自身の身体が思い通りに動かなければ、能力を十分に高めることができないばかりか、障害のリスクにもさらされてしまうことが増えます。
ラウンドをより良いものにするために、ゴルファーはクラブやレッスンに無限とも言える時間を注ぐ一方で、手に入る最も有効なツールである「自身の身体」をまず改善しようという努力を往々にして怠っている方が多い。
あらゆるゴルファーは飛距離を伸ばすこと、ショットの正確性や安定性を高めることに興味を持っているが、それを高価なクラブや新機能をうたうボールに求めます。
しかし、これら3つの要素はいずれも改善するためには、効率的でパワフルなスイングにとって必要な身体の動きを可能にするような体力を向上させるのが早道であり、効果も長続きしやすいです。
体力が向上すればスイングレッスンは効率的になり、新しいクラブもそれまで以上によく飛ぶものとなり、ひいてはゴルフがより楽しいものになると思います。
幸い、ゴルフにおける体力の重要性の認識は近年高まっています。
しかし、体力の重要性についての認識が高まったにもかかわらず、ゴルフで使う筋肉やそれらがスイングにどのように影響するのかについて知っているゴルファーは多くないです。
このことがゴルファーの知識の基礎を不十分にし、筋トレなどを、明確な目的のもとで、スイングとの直接的な関連性を理解しながら行うことの妨げとなる。
つまり、ゴルフに使う筋肉がよくわかっていない状態で筋トレをする方が多く、目標とやっていることがバラバラということですね。
次にパワーとスピードについてです。
ゴルフというスポーツの最高到達点として、プレーヤーがスイングをパワー発揮のために最適化させることがますます一般的になってきています。
しかし、腕の振りでスピードを生み出そうとすることは日本のみならず、世界中の練習場で見られる誤りです。
身体のネガティブなストレスを最小限度にしながら、パワーの発揮を最大化するためには、一連のエネルギー転換経路の最初は地面でなくてはならない。
ニュートンの第三法則によると、ある物質から別の物質に力が及ぼされるとき、等しい大きさの力が逆方向に生じるとあります。
すなわち、脚が地面を力強く蹴るとき、ゴルファーの身体を突き動かす反対の向きの力が等しい大きさで生じるのです。
身体に作用する地面からの力は地面反力と呼ばれています。
地面反力は脚を通じて骨盤に及ばされ、骨盤からゴルファーのコア部分へ、そして肩関節、腕を通じて最終的にクラブとボールに伝えられる。
地面からボールにエネルギーを最も効率的に伝えることが、身体のの持つパワーをフルに発揮することにつながる。
このエネルギーは身体の運動連鎖と呼ばれるものを通じて伝えられる。
これは身体の異なる部分は鎖でつながれたように一連のシステムとして機能し、ある部分は(あるいは結合部分)で生み出せれたエネルギーや力は隣り合うリンクへと次々に伝えられる。
身体セグメントの最適な連携(タイミング)とそれらの動きは、セグメントからセグメントへ、身体内にエネルギーやパワーを効率的に伝えることを可能にする。
ここの動きが連動することによって、その前のセグメントの動きが重なって大きくなっていく。伝達と積み重なりの結果がクラブのヘッドスピードを決めます。
この運動連鎖は隣り合う関節や筋肉を、身体を通してつなげていく。
身体のある部分の弱さや障害はエネルギーの伝達を阻害する要因になり、身体はエネルギーのロスを補うために身体の他部位を使いすぎたり、誤って使ったりする。
効率的なゴルフスイングでは脚がパワーの大部分を担い、力の発揮に貢献するのはこうした大筋群です。
運動連鎖上には弱点があり、弱点の周りにある小筋群が大きなストレスにさらされていることになり、いつしか関節や軟組織(筋肉・腱・靭帯)の使いすぎ症候群を発症し、効率的なスイングを不可能にする。
※身体の運動連鎖の弱点というのは必ずしも筋力不足を意味するものではなく、関節の動きやボディアウェアネス(身体感覚、身体への気づき)も含まれる。身体セグメントの可動性を適正に保ち、ここのセグメントを適切に意識することはここの筋肉の筋力と同程度に重要である。したがって、弱点というのは筋力、可動域、身体感覚の不足を意味する。
ゴルフスイングは複数のスイングプレーンを持つ複数の方向への動きであり、身体のほとんどの関節をその可動域ギリギリまで使う。
関節あるいは筋肉の可動性に制限があると、そのことによってたくさんのマイナスの影響が生じ、パフォーマンス低下や障害のリスクの増加、ゲームの楽しみの減弱などにつながる。
一方、十分な可動性があると、障害を予防できるばかりではなく、スイングの調和や正確性、そしてパワー発揮のための基盤がもたらされる。
では、スイングの可動域を広げるためにはどうするかです。
今回はエクササイズをお伝えしていきます。
①キャット&ドッグ
②コブラ
③ウォールエンジェル
の三つを紹介していきます。
①キャット&ドッグ
補助筋群:上腕三頭筋、前鋸筋、肋間筋
1、四つばいになり、膝は股関節の下、手は肩の下に置き、腕は軽く曲げます。
2、頭と首と脊柱を真っ直ぐに伸ばします。
3、ヘソを脊柱に引き寄せるようにして、背中をできるだけ高く持ち上げ、アゴを胸につけるようにします。
4、肩甲骨を近寄せて背中を床の方向にたわませ、頭を持ち上げて前方を見るようにしましょう。
5、最初の姿勢に戻って繰り返していきます。
アベレージゴルファーに共通する問題として、脊柱と骨盤の可動性不足が挙げられることが多いです。
脊柱の可動性が低いゴルファーは猫背で前屈みになることが多いです。姿勢の問題がアドレスにおいて背中をまっすぐ伸ばすことを妨げるので、このエクササイズをやっていきましょう。
②コブラ
補助筋群:三角筋、上腕三頭筋
1、腹ばいになって額を前腕の上方に保ちます。
2、骨盤を地面につけたまま、前を見てゆっくりと起き上がって胸をできるだけ垂直にしましょう。
3、数秒保って、ゆっくりと最初の姿勢に戻り、繰り返します。
このエクササイズは痛くない範囲で行ってください。重要なのは脊柱を柔らかく保ち、背中の中央部や下部のこわばりを減らすことです。すべての回転運動の可動域を通して身体をスムーズに動かすことにつながります。
③ウォールエンジェル
補助筋群:大胸筋、小胸筋、前鋸筋
1、背中と頭を壁につけて立ち、膝は曲げて足は壁から30cm離します。
2、肘を曲げ、肘と手首を平らにして壁につけます。
3、背中と頭を壁につけたまま、肘と手首が壁から離れないようにしながらゆっくりと腕を上げます。
4、最初の位置に腕を戻して繰り返します。
このエクササイズは肩の可動性と筋力を高めながら脊柱を安定させてまっすぐに保つのに役立ちます。正しい上体姿勢は肩の動きを最適化するだけでなくスイングを通して脊柱全体の回転運動を改善するのに有効です。
ぜひ、チャレンジしてみてください!!!
以上、西手でした。
参考書籍:ゴルフ解剖学
著:クレイグ・デイビース
著:ヴィンス・ディサイア
翻訳・監修:川上康雄・武田淳也
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